第28章 佐助のターン
2人から与えられた甘い罰から解放され、間借りしている自分の部屋に向かう。
小太郎は気を使って姿を見せなかった。
『ねぇ、政宗たちは佐助君からどこまで話を聞いたの?』
まずはお互いが知る情報の確認をしなければならない。
『織田軍とその関係者が伊賀の忍に追われてるってのと、黒幕が毛利だっていうのを聞いたぞ』
『安土に戻るまでの村には伊賀の忍がすでに入り込んでるから、最短の道は危ないって事もね』
2人から聞かされたのはどうやらこちらが知る情報とほぼ同じ様だった。
少し考えて思い付いた事を口にしてみる。
『じゃあ、変装するのはどうかな?織田軍ってわからなければいいんでしょ?』
『成る程、面白そうだな。じゃあ家康、お前は直美の弟になれ』
『は?なんで俺が弟なんですか。どう考えても百歩譲って兄でしょ。じゃあ政宗さんはどうするんですか』
『俺か?俺はお前たちの父親だな』
『……それ、俺が直美の弟をやるより無理があると思いますけど』
『そうか、いい案だと思ったんだがな』
『『………』』
話をしていると突然襖が勢い良く開く。
何事かと目を向けるとそこに立っていたのは謙信、信玄、佐助の3人だった。