第28章 佐助のターン
佐助が直美を背負って歩き始めた頃、景家は政宗たちと一緒に城門のすぐ近くで朝倉と長政の2人に縄をかけ、尋問を続けていた。
『自分の城で爆発が起きたというのに何も心当たりがない?そんな話、信用できませんね』
『隠しても無駄だぞ、早く言え』
政宗と景家が刀を向けても2人は誰が何の目的で爆発を起こしたのかわからないの一点張りだった。
『2人に心当たりがないのなら、この城に忍び込んでいた間者の仕業かもしれません、それもかなり手馴れた者でしょう。誰を狙ったのかわかりませんが見逃せませんね』
景家が冷静にそう言ったところで謙信と信玄が広間の方向から戻ってくる。
『謙信様、佐助殿と直美様は?』
『あの2人なら広間にはすでにいなかった。だが状況からすでに城の外にいる。佐助がいるなら大丈夫だと思うが万が一あいつらが狙われたのであれば女連れで山道を逃げるのは不利だ』
不機嫌そうな謙信の様子を察し、景家は政宗たちに後処理を頼む事にした。
『浅井、朝倉の処遇については織田軍に全てお任せいたします。追っ手がいる可能性があるので、私たちは裏門から2人を追いかけます』
『この2人を安土に連れて行く手配が済んだら俺たちは城下町から裏門に続く登城口を探してみるから』
家康が返事をすると謙信たちは足早にその場を去り、裏門へと向かって行った。