第27章 偽りの同盟

その頃、政宗、家康、三成の３人は急いで一乗谷城に向かっていた。


目立たない場所で馬を降りると歩いて城下町に入り、足早に移動しながら城の周辺の偵察にあたる。


『政宗様、家康様、城の中がなにやら騒がしい様ですが』


三成がすぐに城の敷地内での異変に気がついた。


もっとよく見える場所に移動すると、何故か城門で見張りをする兵がおらず、城門から堂々と中の様子を見ることが出来る。


『ねえ、あれって浅井長政じゃない？』


家康が見覚えのある人物の名前をあげた。


『てことは隣にいるのは朝倉義景か？あいつら慌てて何やってんだ？』


３人が城門から様子を見ていると、浅井と朝倉の２人が急いで馬に乗って城下町に出ようとしているのがわかった。


『あの２人、どうやら急いで城下町に逃げようとしている様ですね』


理由がわからず、三成も家康も政宗も動かずに様子を見続けている。


『もしそうならすでに謙信が暴れてるんじゃないの？』


『だとすると話が違うが……とにかく浅井と朝倉を城下に出すな。俺たちも行くぞ！』


静かに刀を抜いた３人が城門で立ち塞がった。