第23章 第2部 三成と金平糖
一人で城下を歩きながら、さっき出会った浅井長政の事を考えていた。
(きっと未来で勉強したのと同じ人物だ、イメージが全然違うけど。安土までわざわざ何の話をしに来たのかな。うーん、信長様を裏切る印象が強すぎてよくわからないや)
反物屋に戻ると店の主人がすぐに簪を手渡してくれた。
『これだ!ありがとうございます。あぁ、よかっ…』
お礼を言いながら言葉が止まった。
視界に入ったのはいきなりの大雨。
(どうしよう、傘なんて持ってきてないよ。びしょ濡れで帰ったら秀吉さんや家康に何言われるかわからないし、信長様からもらった着物が濡れちゃう…)
仕方がないので雨がやむまで反物屋で雨宿りをさせてもらう事にした。
しかしいつまでたっても雨がやむ様子はなく、風も強くなってきている。
『参ったなぁ。やっぱり濡れてもいいから急いで走って帰ろうかな』
そう呟いた瞬間、返事のような声が聞こえてきた。
『そんなやんちゃな姫に育てた覚えはないぞ。まだ修行が足りないらしいな』
『!!』
目の前に現れたのは光秀だった。