第22章 帰城
(こ、これは見てるだけで辛い!)
『家康、料理が真っ赤だよ?大丈夫?』
『あんたこそ、帰ってきたばかりで疲れてるんじゃないの?』
『私は大丈夫だよ。あのさ、怪我の手当てをしてくれてありがとう』
『あの時はさすがにちょっと焦ったけど。信長様を庇ってくれた事、感謝してる』
(照れながら言うところが家康っぽいな)
『直美様、私にも酌をさせてください』
横から割って入る三成に家康がすぐ反応する。
『お茶をこぼすような奴に酌なんか出来るわけないだろ、俺がやってやるから貸せ』
『三成くん、お酒はいいの。それより囲碁を教えてもらって本当に助かりました。また教えてね』
『はい、もちろんです』
(またこのスマイル!癒される……じゃなくて、次は秀吉さん……あれ?)
いつの間にか秀吉が信長の隣に移動し、目元を潤ませながら信長に酌をしていた。