第20章 毛利元就
少しずつ火の手が広がる船上に残っているのは信長、光秀、元就の3人だけになっていた。
光秀は自分の周囲にいた兵を斬り伏せた後、急いで船室を回って毛利軍が越中を訪れた理由を調べていた。
燃える船室内で見つけたのは海図。
そのすぐ近くには越後、越中、越前の地図が広げられている。
中でも越中の地図には五箇山までの最短ルートが細かく記入されていた。
(どうやら五箇山に面白い物がある様だな)
光秀は地図を折り畳んで懐に入れると再び甲板へと戻っていく。
そこにはすでに直美と謙信の姿はなく、元就と信長が対峙している姿だけが視界に入った。
(間もなく終焉か)
激しく斬り合う2人に気づかれないよう、静かに銃口を元就に向けた。