• テキストサイズ

イケメン戦国 安土城の居候

第15章 再び城下へ


『複雑か、そうだろうな。遠江は元々は今川の領地だよな。それが戦で徳川の領地になり、そこに今度は強くてカッコいい武田軍が攻めてくる。確かに複雑だ』


『強くてカッコいいって自分で言っちゃいますか!』


『実際そうだろう?それに徳川から武田に寝返ろうとした民もいたと聞いた。誰につくかはとても大事な事だ。それは町や村で暮らす民も、俺たちの様な武将も同じだ』


安土にいるみんなの姿を思い浮かべた。

そして佐助や幸村の事も。



『でも強いとか、カッコいいだけじゃ誰もついて来てはくれないですよね』


『ああ、そうだ。大事なのはどんな方法で何を成そうとしてるかだろう。貧弱な思想では誰もついてこない。民も家臣もな』


『ん?それは暗に信長様の事を認めているようにも聞こえますけど…』


『そう聞こえたならそれでいい。だが信長は俺の敵であることに変わりはない。必ずこの手で討ち取るつもりだ』



出身地を問われた質問が全く違う方向に飛んでいった気がする。

未来から来たことはどうにかバレずにすんだけれど、心が晴れない感覚に陥っていた。


(ちゃんと認めているのに手を取り合う事はできないんだ、これはこれで複雑だな…)
/ 596ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp