第6章 また向かい合う二色のモノ
数日後、また僕は海上へと上がった。
そしたらまたリジーがいた。
「リジー。」
そう呼ぶと彼女は嬉しそうにこっちを向いた。
まるで僕をずっと待っていたかのように。
「アオ、奇遇だな。」
「実はリジーに会いたくて。」
「わ、私はたまたまだ、たまたま!。」
それから僕たちはいろいろ毎日ここにきては話し合った。
でも、唐突にリジーは来なくなった。
僕は毎日、毎日リジーを探しにここに来た。
しかし、そんなある日
また彼女が僕の前に現れた。
「久しぶりだね。」
「そうだな、アオ。」
彼女はとても悲しそうな顔をしていった。
「私はもうここには来ない。」
「何で?!」
「オマエを、アオを・・・好きになってしまったからだ。」
「え、ぼくをリジーが?」
「そうだ、でも堕天でも私は天使。
人魚に恋をしたら・・・死んでしまう。」
「そんなのおかしいよっ!」
「ごめん。」
そう言い残して彼女は去って行った。
しばらくするとこの炎天下のなか、
きれいなきれいな雪が降ってきた。
後々、あの黒い鳥の名前は「鴉」だと
本で僕は知った。