第5章 恋に落ちる
そして私は堕天となった。
「妹をかばっただけじゃないか。」
「どんな理由があったとしても人殺しは重罪だ。」
「でも、リジーは堕天でも僕は天使だと思う。」
「あ、ありがとう。」
「僕もいろいろ悩みがあるし。」
「悩み?」
「うん、僕もうすぐ人魚の王になるんだ。」
「アオは王子なのか。」
「そうだよ、父上が死んだからまだ15歳だけど
継がないといけないんだ。」
「大変なんだなお前も。」
「でもさ、父上が死ぬ前に言ってた雪が見れなくなる方が
嫌なんだ。」
「雪か?」
「うん、王になったらほとんど宮殿からは
出られなくなるから。」
「一度でいいから見てみたいんだ。」
「今は真夏だ、無理だろうな。」
「わかってるよ。」
何かしてやりたいが・・・。
「そろそろ帰るね、僕結構リジーが好きかも。」
「はぁ?!いきなり何を。」
「バイバイっ!」
「あ、ちょっと待て!」
行ってしまった。
手当の礼を言い忘れた。
また、会えるといいな。