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【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜

第11章 【あとがき】




スッ……


「では、二つ目の贈り物です。皆さんが愛してやまない、家康公を探してきて下さい」



今まで姿を消していた佐助くんが、
屋根からストンと着地。


眼鏡をキランと光らせ、
中指で押し当てた。



バリバリッ……バリッ…!



何を切り裂く騒音。
それが聞こえた瞬間だった!




ドオォォーンッ!!




「え!?うわぁぁぁぁあ!!」



目をぎゅっと瞑り……




次に目を開けた時には……



冷たい床に頬がついていて、
ぼんやりした視界に……


脇息に凭れかかる、一人の男性。



むくりと起き上がり、
ぼーっとした意識の中……



「あの捻くれ者なら城内にいる」



捻くれ者…捻くれてる…拗ねる…



「天邪鬼!?!!」



耳を疑い……
そして、目を見張った!!



「えーっ!の、のぶ、信長さまっ!!」


「煩い。佐助もまた、面倒な女を押し付けたな」



黒髪に赤いルビーの瞳が、
スッと細くなる。


佐助くんから最後に聞いた言葉。
二つ目の贈り物。


それを思い出した私は勢い良く立ち上がり、その何処かで見たことがある室内を見渡した。



「えっと…ここは……天守?え?戦国時代?で、今から私はい、い、い、い、いえっ…だめっ!口にすら出来ない!!」



ニヤリと口角が上がり……


「つべこべ言わず!早く、行け!!」


「は、はいっ!!」


やっぱり無茶苦茶だぁ!
私はピシッと背筋を正して、回れ右!

そして訳もわからず走り出す。
頭の中は空っぽで真っ白。



だけど探す人は、
探している人はわかる。




長い廊下を走り、一部屋、一部屋、虱潰しに探して……迷路のような城内を駆けずり回った。




「全然っ!いない!!?どこにっ!?」




その時、通りがかった庭から……
届いた花の香り。




「……あれは。白い水仙と、赤い水仙?」




誘われるように庭に降りた私。

赤い水仙なんて、確かない筈なのに……


まるで夢を見ているかのような光景。


そっと手を伸ばした時。



ジャリ……




砂利を踏み付ける足音。



それが背後から


聞こえて……





ゆっくり振り返った瞬間。





ふわふわ猫っ毛。


それが風で揺れた気がした___






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