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【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜

第8章 【真紅の水仙】〜誕生祭⑤〜前編




何かを感じ取ったように、
キラッと光る眼鏡のフレーム。

家康が待機している襖に手を掛けたまま、佐助は素早く振り返り……



(ん?今?ひまりさんに呼ばれた気がしたが。…………気のせいか)



また、正面を向いて眼鏡をしっかりと掛け直した。


あれから天守に光秀と家康と向かったように思えた佐助だったが、あの件を伝えるのは、自分より信長のが適任だと考え、昨日、現代にいた時に既に頼んであり、仲間の軒猿に今夜帰ることを告げる狼煙を上げに行っていたのだ。


(是非、これは直接……)


両手に乗り切るか乗り切らないかのサイズをした木箱。それを何処からか取り出すと、中にいる家康に声を掛けた。


ゆっくりと開く襖。

山吹色の着物に着替えた家康は暫く寝ていたのか、華やかな羽織を肩に掛け、軽い欠伸をしながら姿を現す。



「……何?ってか、普通に訪ねて来るとか。……逆に怖いんだけど」


「今は許可を頂いて城内にいますので。……家康公に真の贈り物に辿り着ける物を渡しにきました」


「……真の贈り物?ケーキはもう完成したんでしょ?」


「最後はお一人で見つけて下さい。あと、箱の中身は宴に必要になりますので……本日は、お誕生日おめでとうございます」



家康は難しく眉を顰める前で、佐助は無表情のまま箱を渡して、誕生日の祝いの言葉をかけ、中身の使い道はひまりならわかると告げると……


サッと屋根裏に姿を消す。


(何なの一体……?)


箱の中身を開けようとした時。



「家康様。宴の準備が整いましたので、大広間に来て欲しいとのことです」


「わかった。……すぐに行く」



城に仕える家来から伝言を聞き、
後ろ手で襖を閉める。


(先に広間に行ったのか……)


てっきりひまりが呼びに来ると予想していた家康。内心少し残念に思いながらも、表情はいつも通りのポーカーフェイス。佐助からの贈り物の箱を持ったまま羽織を翻し、急ぎ足で広間へと向かった。




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