【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜
第4章 【現代 平成30年1月31日5時】〜萌の時間〜
しかし、家康は何があったかは具体的には知らない。クローゼットから背中を離して、小さな子供が父親に泣きつくように、家康にしがみ付いたひまり。何があったのかと聞かれても、下着の事が言えず、ただ頬を紅潮させ、口籠り、首を振り、決して答えなかったのがその理由。
(とりあえず一晩。……守りきった)
何はともあれ、ひまりが必死に守っていたクローゼットと、ひまり自身を守りきった達成感から、家康は安堵の息をつく。
「酷い顔だな。家康」
「実に清々しい朝です」
すると、テレビ前で寝ていた光秀がいつの間にか起き上がり、寝癖ひとつない髪と肩を揺らす。佐助も同じタイミングで、目を覚ました。
そして、次に……
「ん……っ…」
その艶かしい声に導かれるように、四人の視線は……
「……!!」
「……っ///」
「くっ……」
「ほぉ……」
ある一点に注がれる。
寝返りを打ち、布団を片足で挟むように剥いだひまり。その体勢では、モコモコ素材のショートパンツから柔らかそうな足がむき出しに。
「ん、……も、ぅ…あさ…?」
軽く身体が沈むのを感じ、もぞもぞ動き、目を擦りながら起き上がったひまり。
「……ど、ぅ…したの?みんな?」
そして、不思議そうに首を傾げる。
眼鏡の奥にある目をカッと見開き、石化した佐助。観察するように目を細めた、光秀。顎を擦り、ニヤリと笑う信長。そしてベットに半分乗り掛かり、目尻を赤くしたまま布団を掴む家康を見て、ますます頭上にクエスチョンマークを浮かべた。
木のぬくもりを感じる、
丸みのある掛け時計。
ガラスの奥で短い針が、
『7』を刺した頃___
ダイニングテーブルへと移動した五人。
朝食を食べ終わり、ひまりだけは部屋に移動。
残った四人は、ワームホールの出現時間を確認後、全閉したパーテーションを目視した。
「念願の夢が叶います」
「くくくっ。家康がどのような反応をするか期待だ」
佐助は、眼鏡を服の袖で念入りに磨き装着。光秀は向かえに座る家康に、意味ありげな視線を投げかける。
「反応……?一体、何を企んでいるんですか?」
「貴様は、黙って感謝しろ」
眉を顰める家康に、
信長がそう一言、告げた時だ。