【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜
第3章 【現代 平成30年1月30日14時】〜留守番の時間〜
そして、口角を上げ……
「至急、『せいふく』を着ろ」
「え?制服……?わぁっ!」
グイッ!
ひまりの肘あたりを掴み、
自分の方に引き寄せると……
バタンッ!
勢い良く氷のように冷たい扉を閉め……
「きゃあぁぁぁぁっ!」
待ちくたびれた信長は、佐助が考えた煽てる作戦さえもぶち壊した。
「はぁ!?何で閉めてっ!」
突然過ぎて、
反応に遅れた家康は一人取り残され……
「そこはだめぇーーっ!//////」
扉越しにまではっきり聞こえた、
甲高い悲鳴に焦り……
ドンドンドンッ!
「ちょっと!!ひまりに一体!!何してんのっ!?ちょっ!……佐助っ!光秀さんっ!」
中に居るであろう、二人を呼ぶが……
「佐助くんっ!固まってないで、助けてーっ!光秀さんっ!やぁ///触っちゃだめぇーっ!」
ことごとく期待を裏切られ……
「ひまりっ!ひまりっ!」
完全に我を失う家康。
「なんやぁ〜?……つぎは痴話喧嘩かぁ〜?えらいせわしいなぁ~」
騒ぎを聞きつけた管理人が現れるまで、頑丈な扉をどうにかぶち壊そうと、ありとあらゆる手を使い最善を尽くしていた。
こうして、嵐のようにドタバタと過ぎ去った時間。さて、現代に降りたった五人はどんな一夜を過ごし、朝を迎えたのか……
スヤスヤと安らかな寝息を立て、無防備な寝顔を浮かべたひまりが眠る、ベットサイドの下。
見張り番のように、胡座をかき、目下に薄っすら隈を作り、コクリコクリと首を落としては眠り、暫くすると目を開け、首を振り、深い夢の中へ引き込まれる睡気と戦い、浅い眠りを繰り返しながら、誕生日を迎えていた家康が……
それを物語っていた。