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【HQ】脳内妄想小部屋

第2章 大晦日の狐‐ハイキュー!!冬休み企画!‐


大晦日って、なんか特別な日だ。
普段は厳しい親でも、初詣に行くからって理由を付ければ、夜の外出も許してくれる。

そんな日に、こんなイベントがあるなんて奇跡じゃない?

「…狐の行列?」
「そうそ。なんか、和装で狐のお面かメイクしてお稲荷さんお参り行くんだって」
「あ、そ」
「何その興味無さそうな返事」
「ねぇよ。どうせ、俺が狐顔だから連れてきたいだけだろ」

バレたか。
そのイベントのチラシを顰めっ面で眺める木葉秋紀は、間違いなく狐顔だ。
本人は、私以外に言われた事無いからって否定するけど、口に出さないだけで皆もそう思ってる。

それくらい狐っぽい。

細い目もそうなんだけど、髪の色とか狐の毛並みみたいだし。
木葉って名字も、それを頭に乗せて化けてるイメージ出来るし。

頭の中で、葉っぱを乗せた狐がくるりと宙返りする。
ぽんっと煙が出て、中から目の前に居るこの人が現れる。

自分の勝手な想像なのに笑ってしまった。

「何笑ってんだよ?どうせ、仲間入り出来るよーとか言う気だったろ」
「そこまでは思ってない!アキが狐の世界に帰ったら困るもん!」
「そこまで?じゃ、どんな想像して笑ってたんだよ?」
「狐がアキに化けるのを想像シマシタ。ごめんなさい」
「オイ、結構ヒドイ想像だな?…んな事言うなら絶対に行かねぇぞ」

機嫌を完全に損ねて、徹底拒否をされる。

「正直に答えたのにー!」
「正直なら良い訳じゃねぇぞ。つか、寒ィのに夜中まで出歩きたくねぇよ。ハイ、この話はオシマイ」

本当に付き合ってくれる気がないようで、チラシをクシャクシャに丸めてポケットに入れてしまった。

私の機嫌は急下降。
夜中まで一緒に居られる日の筈だったのに、その特別感も気持ちも消え失せた。

「じゃ、私だけで行くからいい。また来年ね。よいお年を!」

逆ギレっぽく語気を強めて、彼から離れる。

「オイコラ!女一人で夜中までって、何考えてんだよ!」

後ろから怒鳴る声が聞こえても無視をした。
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