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駄犬になつかれて

第9章 ワンコ、弱る。



「それで、食べ物買ってきたんだけど、お粥、食べれる?」

犬夜くんはコクっと頷いた。

「ん、わかった。じゃあキッチン借りるね。ちょっと待っててね」

犬夜くんにそう告げ、私は下に降りる。
キッチン…はここか。

私は手を洗い、お粥を作る。

「よし、できた」

お粥をお盆に乗せ、犬夜くんの部屋まで運ぶ。

「犬夜くん、できたよ〜」

「ありがと…ございます…」

と言って、犬夜くんは体を起こした。
私はお粥を掬って犬夜くんに差し出す。

「はい、あーん」

「へっ!?だ、だいじょぶですよ、じぶんでたべれます…」

「いいのいいの!ほら、あーん」

「じゃ、じゃあ…あーん」

犬夜くんはモグモグと口を動かして

「おいし…」

と言った。

「まぁ、インスタントなんだけどね。私、あんまり料理とかしなくて…」

「そう、なんですか、でも、おいしい、ですよ」

「ふふっ、ありがとう」

すると、犬夜くんは口を開けた。
私は少し嬉しかった。

「はい、あーん…」

「あー…」

口をモグモグとさせている犬夜くん、なんだか小動物みたいだ。

「かわいいなぁ」

思わず声に出してしまっていた。
犬夜くんは少し不思議そうな顔をした。

「あ、いや、なんでもないよ!ほら、あーん…」

「あー…」

何回か繰り返し、犬夜くんはお粥を食べ終わった。

「ありがとう、ございました」

「うん、じゃあ、これ、薬も買ってきたんだけど…アレルギーとかある?飲める…かな?」

「あ、これならのめます…」

「よかった!じゃあ、はい!これ水ね」

「わざわざ、ありがとう、ございます…」

犬夜くんは薬を飲んでそのまま眠りについた。
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