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審神者になった華

第3章 本編40~56【完】


40

ふと、チビ達の笑い声が聞こえて
一室をこっそり覗くと、おお、粟田口と左文字、来、三条のチビ達がきゃいきゃい遊んでいる。

そういやチビ達と触れ合いしてねえなと思った

「よう、仲良いなお前達」

俺が部屋に入ると、驚いた目で空気が動揺に変わる

「あ・・・主様?」
「どうしたの?」

コイツら前の審神者に何かしらされていたな?
輪の中心に座って何も言わずに全員の頭をわしわしと撫でると
目をぱちくりさせて俺を見る。

「お前ら、前の審神者に酷い事をされてたな?」

大丈夫だ、俺はそんな下らない事はしないと大太刀の蛍丸を膝に乗せて
秋田や五虎退、厚、薬研の頭を撫でて擽る

何か、弟が居たらこんな感じか?

「あ、晴久此所に居た」
「よう市」

何かの包みを持ってやって来た市を迎えて

「ちょうどよかった、チビちゃん達と居るなら此所に広げるよ」

クッキー作ってきたんだよ、と笑う市に俺も礼を言えば
・・・気付いたらチビ達が俺に引っ付いてた。
少しは気を許してくれたか?

歌仙が笑顔で器を持って来てくれたのでそれに容れて貰い

市はチビ達の頭を一通り撫でてから戻って行った。
やっぱり市の本丸と繋がる扉も作って貰って正解だったな

「市の菓子は美味いぞ、ほらお前らも食え」
「主君・・・」

にっと笑って前田と平野の頭を撫でてやれば
照れ臭そうに顔を赤らめ

今剣が1つぱくりと頬張って、心なしか桜が舞ってる気がする。

「あるじさま!くっきーおいしいです!」
「おう、夕餉の分は腹残してどんどん食え」
「「「はい!」」」

1つ摘まんで、蛍丸があーんと口を開けてたので、笑って入れてやるとモゴモゴと。
俺にぎゅっと抱き着いてきた。

「えへへ、美味しい」
「蛍丸さん、ず、ずるいです」
「ほら、お前ら喧嘩すんな」

わしわしと頭を撫でながら口にクッキーを放ってやってるうちに
最初の警戒されてた空気は気付いたら無くなっていた。

あのよお、俺チビ達に埋まってるんだけど。

「主殿?何をしておいでですかな?」
「悪い一期、助けてくんねえ?」

通り掛かった一期に盛大に笑われながら救出してもらい

「あのね晴久公、ご飯前なのにクッキー食べさせちゃったの?夕餉入ると思うの?」
「済みませんでした」

チビ達の前で光忠に盛大に叱られた。
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