第1章 失った温もり
ウォールマリア南方にあるシガンシナ区。
そこに、とある少女と老婆、そして一匹の犬が暮らしていた。
老婆は足が悪く、一日のほとんどを椅子に座って過ごしていた。
犬の散歩をはじめ買い物、料理洗濯などの家事は全て、まだ10にも満たない幼い少女が行っていた。
一日の終わりに、おばあちゃんのお話を聞きながらお茶を飲んでゆっくりする時間が、少女は大好きだった。
貧しい暮らしではあったが、近隣の優しい住人たちに気をかけてもらったりと、2人と一匹は温かに暮らしていた。
そして850年
少女は10歳になった。