第7章 第7話
翔『なぁ…雅紀。もし俺が先に死んだらお前どうする?』
雅『え!翔ちゃん何処か悪いの!?』
翔『違うよ。実はこの間テレビドラマで最愛の人が亡くなって、すがり付いて泣いているシーンがあったからさ…お前はどうするのかな…って思っただけだよ』
雅『なんだビックリしたー…そうだなー…多分俺は人目も憚らず大泣きするんだろうな…』
翔『アハハ!やりそうだなお前は!』
雅『そう言う翔ちゃんは?』
翔『多分俺も。回りが呆れるくらい大泣きする』
あれはまだ翔ちゃんが白血病と解る前だった…
…翔ちゃんにはああ言ったけど…実際は一粒の涙も出なかった…
今俺は葬祭所の廊下にある長椅子に座っていた
雅「…もしかしてこれって夢なのかな…」
だから涙も出ないのかな…
なら早く起きなきゃ…
起きて翔ちゃんにこの事言ったら「勝手に俺の事殺すな!」って怒られるだろうな…
俺はさっきから聞こえてくる読経を聞きながらそう思っていた…