第6章 第6話
雅「…不適合…」
医師「残念ですが…貴方のHLA型は櫻井さんの型とは合いませんでした」
雅「HLA?」
医師「白血球の血液型です。これが適合しないと骨髄移植は出来ません」
そんな…結局おじさんとおばさんも適合しなかったのに…
雅「先生!何とか出来ないんですか!?このままじゃ翔ちゃんが!」
医師「落ち着いて下さい。まだ可能性がないわけではありません。骨髄バンク登録者に適合者がいれば移植出来ます。諦めてはいけません」
雅「…はい…」
俺はそのまま診察室を出た
…翔ちゃんに何て説明すれば良いんだろう…
また入院している翔ちゃんの病室に向かっていた俺は何て答えたら良いのか迷っていた
…ダメだ…俺がこんな顔してたら…
俺は両手を自分の頬にパンッと勢いよくあてた
雅「よし!」
気合いを入れた俺はそのまま翔ちゃんの病室のドアをノックした