• テキストサイズ

Hit the floor

第4章 きみを連れ出して








こんな時でも惚れっぽかったなんて
無神経な自分が少し嫌になった。



なぜか胸騒ぎがして
急いでグラスをテーブルに置く。

慌てたようにベットから立ち上がると
その腕を取られた。



「………、さと」

「…待って」

「…………」



黙ったまま、決して大きくはない目が
私の視線を掴まえる。

彼の落ち着きとは裏腹に
私の心拍数は速くなるばかりで。

何秒かたったまま、その状態が続くと
智さんがやっと口を開いた。




「待って?」

「…待って、ます」

「…うん」




立ちっぱなしの私に下から見つめる視線。




「…まだ一緒にいてくれない?」

「………でも」

「でも?」

「…………」




でも、





これ以上智さんと一緒にいたら















「……わたし、」

「………」

「………」

「嘘、だって言ったら?」

「え?」

「振られた、なんて嘘だって」





智さんの言った意味がわからず
眉を下げた彼の表情に
ただ




ただ胸が苦しくなって。











/ 27ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp