第2章 本編1〜70
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又兵衛に2度と閻魔帳は書かないと約束させて
「今度遊びに来てね」
「…仕方ありませんねぇ」
にこにこと笑って手を振って伊達領を後にする又兵衛を見送った
「お前末恐ろしいな」
「そう?」
政宗にそう言われながら城に入ると黒羽達もやっと姿を見せてくれた
「皆の名前も書かれてたんだね、昴も意外だったけど」
「以前、3人で豊臣に向かう時ひと悶着ありましてね」
「俺も、豊臣に居た時に色々言われまして」
「お市様が閻魔帳を破り捨ててキレた時は肝が冷えたぞ」
えー、だって復讐帳とか。
皆復讐されたら私が泣く自信あるわ。私が又兵衛に復讐しそうだもん。
「Ah~市が厄介な後藤をシメてくれたお陰で俺も安心した」
ぱたぱたと小さな足音が近付いて来て
「政宗兄ちゃん大丈夫だったか!?」
「いつき、市が何とかしてくれてな」
「市姉ちゃん!」
「いつきちゃん久しぶり」
ぎゅうっと私に抱き着いてきたマイエンジェルが可愛いです
そっと抱き締めると怖かったんだろうな
小さな肩が少し震えて
「恐いお兄さんは市が追い払ったよ」
「市姉ちゃん~!」
お互いにぎゅうぎゅう抱き締めあってたら「何やってんだ」と小十郎さんは苦笑いで
小十郎さんも混ざる?と茶目っ気たっぷりに言ったら顔を真っ赤にして逃げられた。はて。
輝宗さまと義姫さまも広間で待ってると言うので
いつきちゃんを抱き抱えておじゃましまーす
「よく来たな市姫、後藤又兵衛の件は感謝してもしきれぬ」
「ほんに、お市には世話を掛けっぱなしじゃの」
「やんちゃが過ぎる兄上には良い経験じゃないでしょうか?」
「おい政道、てめえ」
政道くん最近黒くないかい?