第5章 お転婆姫の妄想…①
「おい、萌香」
「何ですか?」
「今日は、家一も一緒にいるのか?」
「はい。今日は私も家一もずっと居ますよ。」
「そうか。」
あ、そうそう。
言い忘れてたけど私達の間にはもうすぐ1歳になる息子の家一(いえかず)がいる。
今は私たちの近くで寝てるけど。
見た目は家康そっくりな男の子。
「おい、光秀。食いもん混ぜるな」
「人の勝手だ。」
「三成!本は置け!」
「…」
「…はぁ。御殿で食べれば良かった。」
家康がそう言うと同時に、家一の泣き声が響いた。
「あ、起きた!」
私が家一を抱き上げて、あやそうとすると
誰よりも早く信長様が駆け寄って抱き上げた。
「あ、信長様ありがとうございます」
「俺はどこかの世話をしない男とは違うからな」
「な…っ!」
家一は次第に泣き止み、はいはいをして広間中を駆け回り始めた。
秀吉さんの近くにいれば、親子のような感じがするし、三成くんの近くにいれば家康と三成くんみたいな感じだ。
政宗となら年の離れた兄弟で…光秀さんは叔父さんかな?
信長様は厳しいお父さんか、おじいちゃん。
…なんて考えてるうちに朝餉の時間は終了した。