【ヒロアカ】血まみれヒーローと黒の少年【原作沿い男主】
第5章 懐疑
罠かも知れない。あの浮薄な白衣の男に騙されているだけなのかも知れない。こんな紙切れ一枚で何の保証もない。私的な判断で何かあれば責任も免れないし、危険も伴う。行くのはどう考えても得策ではないし、合理的ではない。そのはずなのに、これがあの、消えるように死んでいった旧友に続く唯一の足がかりだと思うと――紙から目が離せない。
もし、白銀の言ったことが事実だとしたら。
死んだはずの彼が、夜牙が、生きているのだとしたら。
生きて話が、できるのだとしたら。
自分がほんとうにとるべき行動は。
「消太、ごめん。俺、ほんとうは――」