第1章 死ねないんですか?
転生。というものをご存知だろうか
そう、最近のライトノベルの定番と行っても過言ではない設定の一つだ
主人公は死んで、別の異世界で記憶を持ったまま蘇る、という話、強くてニューゲーム、知識チートと呼ばれ、大抵はその世界の住人からチヤホヤされる
かくいう私もその『転生者』であることは確かなのだが……うん、まぁ、ライトノベルとは違う形ではある。なんせここはいわゆる版権の世界、言ってしまえば二次創作や夢小説などに当たる形の転生だ
そこで私はハズレの種族を引いた、まぁ端的に言えば滅ぶことが確定してる一族だ
力だけで言えば作中最強といっても過言ではないのだが、その力が余りにも強大過ぎて物語序盤どころか物語が始まる頃には既に崩壊済みなのだ
………ナルトという作品のうちは一族、そこに私は生まれてしまったのだ
まぁ、生まれてしまったものはしょうがないとソレに気づいた時は清く諦めた
私は前世ではそこそこのナルトファンで原作は何度も読み返したしホモもいくらか漁った、いやこの話は蛇足か
うちは一族がなぜ滅んでしまうのか、それはうちはイタチという男が一族を殺してまわるからだ。なんでそんなことするのかって?まぁこいつを殺されたくなければお前の仲間を殺せ!って言われて実行しちゃった感じだよ、いや、事情はもっと複雑なんだけど
で、どう考えても私はうちはイタチに勝てるとは思わないのだ、いや勝っても困るんだけど
イタチは最初から物語の全てを見通している、第一巻が始まる前から大筒木の存在を感知してたんだよ?無理でしょ。そんな男に私のような小娘が勝てるわけもない、私はまだこのナルトの世界に生まれてから2年ほどしか立ってないが、今のところ打開策は思い浮かんでないのだ
で、そんな折りに共働きの両親が鍵を閉めずに外出したのだ
隣の家の専業主婦が私の面倒も見てくれると言い出したので両親はそれに頼っていて、鍵を締めずに仕事に出かけたのもその専業主婦がすぐ来るからだ
私はその隙をついて外に出た。で、溺れた、冒頭の通りに
薄目を開ける、両親が家を出ていくのが見えた
「じゃぁ、おとなしくしてるのよ」
………え?
私は顔を上げる、確かに私は足を滑らせて川に落ちたはず