第18章 終幕
「、見てくれ、サスケだ」
イタチが小さな子供を抱き抱えている、すやすやと眠る顔は可愛らしく、庇護欲をそそった
「うちの薫の方がかわいいわ」
同じく私も小さな子供を抱えている、もはや天使だ
なに?とイタチが眉を寄せて私を見た
「いや、うちのサスケの方が可愛いな」
「いや、うちの子の方がカワイイに決まってる」
お互い見せ合って、ふふ、と笑う
「私ね、この子を守るためならなんでもできるわ」
「もちろん、俺だって同じだ」
遠くから私達を呼ぶ声がする
「む、そろそろ戻るが、この話についてはまだ終わってないからな」
ブラコンを発動するイタチを見て私はうふふと笑う
「えぇ、明日の任務で決着をつけましょう」
そう言ってお互い背を向けて歩き出す
家に入るとお母さんがやってきた
「そろそろお乳の時間ね」
私の手から薫を受け取る、宿題のために私は部屋に戻った
あれから私は一人で死んだ、そして、生まれ戻った
だけど生まれる時がかなりずれた、今はなぜかイタチと同い年だ
そして六道仙人が言ったことは本当なのだろう、私は一瞬で世界のどこにでも行けるようになった
おそらく大筒木一族ですら感知できない、いわゆる第四の壁の存在の存在に気づいたのは前日のことだ
おそらく気づくだけで開くことはかなわない、それをするには死んで神にならなければ
だけど、私には今薫がいる、死ぬわけにも行くまい
宿題をぱっぱと終わらせて私は食事を取り、薫のおむつを替える
愛おしい薫、私が求めた物の全て
「は本当にいいお姉さんね」
お母さんが笑って私もうん、と笑う
今度こそ、私は彼を死なせない
そして私は、乳離れした薫を連れて里を抜けた
それが、私の全てだ