第5章 7月『ピアノとBBQ』
「明日から夏休みだけど、
宿題をちゃんとやってから遊べよな。
じゃあ、夏休み、楽しんでこいよ!
また新学期に会おうぜ。」
そのまま今日の日程が終わってしまう。
は最後まで来なかった。
連絡無しで最後まで休むなんて……
今まで、こんなこと無かったのに。
「坂下、本当に
から連絡ないのか?」
帰ろうとする坂下を引き止める。
ClassAでと繋がりがあるのは
坂下しかいない。
「……無いですよ。あったら言ってます。
先生こそ、から
連絡来てないんですか?」
坂下はめんどくさそうに俺に言った。
……連絡?から?
「……え?」
「ほら、この前に連絡先、
貰ってたでしょ。登録してないんですか?」
「……そ、そういえば、そうだった。」
坂下の言葉に、体育祭の
少し前の事を思い出した。
あの時から
連絡先を貰ったんだった。
登録はしたものの、
結局、貰ってから1度も電話を
掛けたことはない。
今こそ、掛ける時だ。
「ありがとう坂下!また新学期な!!」
そうと決まれば善は急げだ。
とりあえず校外に出ないと電話はかけれない。
俺は校門へ向かった。
「ふぅ……ここなら大丈夫そうだな。」
裏口の校門から出る。
ここなら生徒もいないし、静かだ。
「…………、出てくれ。頼む。」
俺は携帯を開いた。