第3章 Second
この7日間ほど、長いと感じた1週間は、生まれてから15年、経験したことがあっただろうか。そう思いたくなるほどに、長く感じた1週間であった。そうして迎えた今日、12月24日。普通ならば23日に、そもそも平日に、終業式を行うものではないか、と思うが、なぜか今年に限っては24日土曜日が終業式であった。
さて、それはさておいて、朱音は今日の夕方の便で北海道に発つ。まだ終業式も終わっていないのに、そわそわと落ち着かず、何度も手元の腕時計に目をやりながら、朱音は時間が過ぎるのを待っていた。
マンモス校ならではの、校内放送による事務的な終業式を終え、今学期の成績表を片手に担任からの有難くもない、長々と説教じみた話を聞きながら今日の今後のことを考える。
この長ったるい担任の話が終わればもう解散だ。帰ったらすぐに服を着替えよう。北海道は、ここよりずっと寒い。それはわかっていても、大好きな彼に会うとなれば、オシャレもしたい。あまり慣れないが、ワンピースを着てみようか……。普段好んでは選ばない服装だが、吹雪のためならばいくらでも着よう、という気になるのだった。
「……と、いうことで、冬休みであるからといって遊び呆けないように。課題も忘れずにやってくること。古典は休み明けに試験あるからね。それと、時間とお金の無駄遣いは決してしないこと。……うーん、あとは何かあったかなぁ……まぁ、いいか。じゃあ、私からのお話はこれでおしまい! みんな、メリークリスマス、そして良いお年を!」
「良いお年を!」
「先生もね!」
たっぷり30分ほど話をしていたのはこのクラスの担任。古典教師である彼女の口から飛び出した試験という単語に、ほんの少し嫌な気持ちになりながらも、帰り支度に移った。