第2章 水曜日の今日子
時間帯は夜、周囲には中学校に修学旅行に行った京都あたりでしか見たことのない日本家屋、降り積もった雪。
街頭と呼べるものは全く見当たらず、月明かりだけがあたりを照らす。
そして今日子はとあることに気づく。
「……?全く寒くない」
今日子の立っている足元は少し雪が溶けている様子が見られるものの、辺りは1面の銀世界。
「まぁ、今は初夏だものね。きっとこの雪も誰かの個性なのだわ。雪を降らせる個性って会ってみたいね」
そんなことを呑気に言いつつ考える。
恐らくテレポートで飛ばされた際に今日子の個性が混ざりすごく遠い変な場所に飛ばされたのだろう、と。
「京都はひさしぶりだから観光したいのだけれど、実習中だったからヒーロースーツ以外何も身につけていないのだわ…。残念…」
今日子のヒーロースーツは変わった全ての曜日の個性に対応可能な最新科学で作られた特別性である。
高い耐久性、今日子が服を脱がずとも光を少しでも多く取り入れられるようにと配慮された今日子だけのスーツ。そして背中には曜日を確認するための天体望遠鏡。
そして動きやすいようにと体のラインがはっきり出るもので制作時に「ヒーローが着れるギリギリのライン」と先生に言われた。
ミッドナイト先生の方が際どいと思うけれど…。と頭の中で少し笑いつつ人を探すため歩き出す。