第29章 1 years later②

小刻みに脈打つ鼓動は、彼自身も興奮しているんだと証明していた。

「りお･･･」

愛しい人が･･･私の名前を呼んでくれる。
まるで宝物に触れるように、優しく及川さんの両手が私の頬を包み込む。

「りお･･･」

まるで私がここにいることを確かめるように･･･及川さんは私の名前を呟く。

「うん･･･」

ちゃんと･･･ちゃんといるからね。
私、ここにいて、ちゃんとあなたを想っているよ･･･


頬を包む手に、私は手を添えて微笑むと、及川さんは一瞬目を見開いて、それから形の良い弧を描いた。


「好きだよ･･･」

そう呟く及川さんの顔が近づいて･･･優しく唇が重なる。
そして、体の中に、彼の熱が入り込んだ･･･


「んんんっ」

彼に唇を塞がれたまま、彼の熱を感じる。
奥深くまで、一気に入り込んだその熱は思ったよりも質量があって、私は苦しげに眉を寄せた。

及川さんは唇を離し、私の瞳を覗き込む。

「･･･痛い？」

そう尋ねる彼に首を横に振る。

「おっきぃ･･･っ」

素直に気持ちを伝えると、及川さんな面食らったような顔をして･･･困ったように笑った。


「煽んないでよね･･･ほんと」

「あぅ･･･っ･･･ぁ･･･」

及川さんは腰をじんわりと引いて、またゆっくりと前に押し進めた。膣中を広げるように、ゆっくりと出し入れされる感覚に私は徐々に奥から湧き上がる快楽を受け入れていく･･･


「はぁ･･･ん、ぁ･･･あっ」

奥まで来るのも心地いいし、入口近くまで引き抜かれて浅い所を刺激されるのも気持ちいい。

全身が火照って快楽に溺れていて、それでいて及川さんのキスが何度も何度も私の唇を塞ぐ。
世界で一番愛しい人と想い合ってこうして一つになれることが･･･こんなに幸せな事だなんて知らなかった。


「あっ･･･はぁ、ん、ぁ･･･あっ」

「はぁ･･･っ、りお･･･っ」

徐々に腰の動きが速まって、快楽の波が小刻みに訪れる。

「及川･･･さっ･･･ぁっ」

しがみつかないと飲み込まれてしまいそうで、私は及川さんの手を握る。その手は指を絡められて、隙間なく繋がる。