第28章 1 years later①
「ふぅ・・・やっぱりダメ」
目の前で及川さんが息をつき、同時にぐいっと体をもっと密着させられる。
「わわっ!」
バランスを崩してよろけそうになる私の体を、及川さんの腕が支えてくれて、ついでに花束を持っていない右手をしっかりと繋がれた。
「俺からしたい。・・・もう好きすぎて、どうしようもないから」
「及川さ・・・んっ!」
名前を呼びきる前に塞がれた唇。
優しく、そして大胆に奪われたそれは、
最高に愛しくて幸せなキスだった。
春みたいに柔らかくて温かい及川さんの唇・・・
幸せすぎて、私こそどうにかなっちゃいそうだよ。
「ん・・・っ」
ちゅ、と可愛らしいリップ音と共に唇が離れ、真っ赤になってる私のおでこと及川さんのそれがコツンと合わさる・・・
「ずっと・・・想ってくれていてありがと。これからは、お前の恋人として思いっきり可愛がってあげるから、覚悟しといてね」
「っ・・・!!」
夢のようで、夢じゃない瞬間が訪れて幸せの絶頂にいる。
私は及川さんの首にぎゅっと抱きついて、その頬にキスをした。
「及川さん、大好きっ」
「・・・知ってるよ」
そうして私たちは、陽だまりの中、
想いを確かめ合うように、
もう一度、口付けを交わした・・・。