第24章 Winter memory⑤
予想外の展開に頭がついて行くのに必死になる。
けれど、そんな私を二人は暖かく見守ってくれている。
いつも私を気にかけてくれる優しくて面白い叔母さん
いつもはナルシストで意地悪だけど、本当は叔母さんに似て優しい一面のある及川さん・・・
そんな二人と過ごした日々はどれも幸せな思い出で、
私・・・私は・・・
「これからも、ここに居たいです・・・っ」
「ふふっ、じゃあ決まりね。りおちゃん、これからも叔母さんたちのこと、宜しくね?」
叔母さんの一言一言が温かくてまた涙が溢れる。
叔母さんにぎゅうっと抱きつくと、叔母さんは背中を優しく撫でてくれる。
すぐ頭の上で及川さんのやれやれ、と言ったため息が聞こえると同時に、叔母さんの手とは別の手が頭の上に置かれる。
顔を上げると、案の定、やれやれと言う顔をした及川さんが苦笑いを浮かべていた。
「お前が居なくなったら、俺誰のことからかって遊べばいいの。遠慮せずこの家に転がり込んでなよね」
遠慮はいらないって、いつも言ってるでしょって・・・
言葉は不器用だけれど私がここに居ることを認めてくれる及川さんの気持ちが伝わり、心が温かくなる・・・
「ふぇえっ」
「ちょっ、だからなんっで泣くんだよっ」
困ったように私の鼻にティッシュを押し当てる及川さん。
「ほんとにそのブス顔なまま戻らなくなるとまずいからいい加減泣き止みなよ」
「うるさぁっ、も、及川さんの馬鹿ぁ!」
「何で俺が馬鹿なんだよ、馬鹿りお!」
及川さんから貰ったティッシュで思い切り鼻をかむ。
何だか、これからもここにいていいって思ったらほっとした。
「これからも、宜しくお願いします」
叔母さんから体を離して深く頭を下げる。
「こちらこそ、宜しくね。りおちゃん、大好きよ」
にっこりと微笑む叔母さんにまたぎゅっと抱きつく。
大好き・・・大好きな私のもう一つの家族。
これからも一緒にいられる。
当たり前のようにここにいられているけど、それは当たり前じゃないことを感じた。
この人たちと過ごせる時間を・・・
もっともっと大切にしていこうと思った・・・
そんなある日の出来事だったーーー・・・