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おかえり〜I'm home〜(R18)

第14章 summer memory⑨





「え?じゃあトイレから出てどっかいってたのは?」

「あれは迷子の子がいて、本部に連れて行って迷子放送かけてもらいに行ってたの」

あの迷子放送ってりおがかけさしたのかー!

「携帯出なかったのは?」

「多分トイレに置いてきちゃってるんだよね〜」

「置いてきた!?」

「う、うん・・・ごめんね?」

だから、電話出なかったの!?
電話出ないくらい怒ってんのかと思ったし!

めちゃくちゃ焦ったじゃん!極めつけに国見ちゃんからそんなメッセージ来たから焦って俺の本音全部言ったんだけど!?

恥ず!恥ずかし過ぎだろ!
散々空回りした結果こんな恥ずかしい思いすんの!?
俺は内心膝をついて崩れ去った。

もうなんだよー、
こんな小っ恥ずかしいこと、大の大人が言ってるとか・・・
穴があったら入りたいレベルじゃん!

はぁぁぁぁぁ。



「ねぇ、及川さん・・・?」

未だに繋がれたままの手を見て、それからりおが恐る恐る視線を上げて俺を見た。

目尻のピンクのシャドウが、すげー似合ってる。
あー、女の子だ。


「さっきの・・・全部ほんと?」

・・・・・・・・・・・・もう。
何でそんな可愛い姿で可愛いこと言うんだよ・・・

俺の心臓もたないよ。


「・・・・・・うん」

お互いの熱が上気していくのが、繋いだ手を通してわかる。

「全部、ホント。・・・可愛いよ」


もうこの際、全部伝われ。
お前のこと、ちゃんと女として見てるから・・・


りおはまるで蕾から咲かす花のような笑顔で言った。

「・・・ありがとうっ」

それは、ちょっと照れくさそうで、でも心底幸せそうな笑顔で。
その顔を俺は見たかったんだと、思った。


その笑顔を見た瞬間・・・

「りお・・・俺、お前のこと・・・」

口が、心が勝手に動いた・・・

「え・・・?」


ヒューー・・・ドォォォオン!!

辺りを、大きな音と共に光が照らした。


「あ・・・花火・・・」

俺たちは川の向こうで上がる花火を、見た。
黄色、赤、青、緑・・・様々な色、大きさの花火が打ち上がっていく。

「綺麗・・・!」

りおは花火を見つめ、自然とそう呟いていた。



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