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おかえり〜I'm home〜(R18)

第2章 spring memory②





「ご馳走さま」

奴はパスタを食べ終わると流し台へ使った食器を持っていく。

「あ〜徹、そこ置いといて〜」

「いいよ、練習までもう少し時間あるし」

慣れた手つきでスポンジを泡立てて食器を洗っていく。袖を捲った腕に浮かび上がる筋が逞しい、なんて、思ってしまった私はぶんぶんと首を振った。

「あらそう?じゃあお願いね!お母さんちょっとトイレ行くわ!」

と、謎のトイレ報告を入れてくれる叔母さん。叔母さんの姿が見えなくなると、ちらりと彼が目線だけを上げた。

「まさか君がうちに住む子だったなんてびっくりしたよ」

君がってなんですか。君がって。
まぁ、そりゃあ良い気はしないでしょうね、お互いに。
しかし、ふつふつを苛立ちを見せる私を他所に、彼は口端を上げたまま・・・。

蛇口から水の流れる音だけが二人の間に響く。

「あ、これから一緒に住むことになっちゃったし、一つ忠告しとくね」

そう言って、彼は人差し指を立てて見せた。

「ここで暮らす以上、俺のこと、好きになんないでねっ」

と、とびきりの笑顔を浮かべる。


「はぁぁぁ!?」

なに、こいつ、本当頭どうかしてんの!?

「する訳ないです、絶対、有り得ないから!」

「そう?じゃあ安心だね♪これから宜しくね、りおちゃん♪」

「宜しくするか!」

濡れた手で握手を求めようとする彼に、嫌悪感が限界に達した。


「あらあら、早速仲良しなのね〜」

なんて叔母さんののどかな声が聞こえたーーー・・・


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