第10章 summer memory⑤
最初こそ、おずおずと探るように軽い口付けが何度か降って来たけれど、私が抵抗しない事を確認したら、徐々に角度を変えて欲しがるように、貪るものへと変わっていった。
「ん・・・っ、ふ・・・」
下唇を狭み、舌で表面をなぞったり・・・
微かに口を開けば、迷いなく滑り込んでくる彼の舌に、口内を暴かれる。
「ふぁ・・・っ、ん、ぁ・・・っ・・・」
とろけそう。腰の力が入らなくなって、きゅっと及川さんのシャツを握りしめてしがみつく。
頭の後ろに回された手が、うなじに触れて、髪を掻き上げる。唇を離し、掻き上げた時に覗いた左耳に寄せられる。
「はぁ・・・っ・・・」
熱を含んだ及川さんの甘い吐息が、耳にかかると、びくりと震える私の体。そろりと及川さんの舌が耳をなぞる。
「ぁっ・・・!」
穴の奥まで入ってくる舌がくちゅ、くちゅと音を立てて聴覚を犯していく。
「や・・・っぁ、だ、め・・・、ぁっ」
必死に、激しい刺激に耐えるように及川さんのシャツを掴む。
「ダメじゃないでしょ・・・っ」
熱に浮かされたような甘い声が耳を溶かす。そのまま、体から力が抜け、ぽすりと及川さんの胸に収まる。
「りお・・・」
布団に私の体を寝かせると、指を頬から首、服の上を通って胸へと這わせていく。
「ん・・・・・・っ」
胸の・・・ちょうど突起している部分をピタリと探り当てると、指はその周りを円を描くように動き出した。もどかしい感覚に、体が揺れる。
「あ・・・及川さ、・・・」
「・・・なに・・・・・・?」
知ってる癖に。私がどうして欲しいか、何を言いたいのか・・・
「言わなきゃ・・・わかんないよ」
「やっ・・・ぁ・・・」
ピリッと、乳首を服越しに指で挟まれる。
「ねぇ・・・、なに、りお・・・?」
「ぁ・・・ゃ・・・・・・んと・・・!」
「ん・・・・・・?」
「ちゃんと・・・触って・・・っ」
羞恥心に押し潰されそうだ。だけど次の瞬間、暴いた服の中に及川さんの指が滑り込み、下着をずらして直に触った感触を覚えた時、その羞恥心は一気にかき消された。
「ぁっ・・・ん、ぁ・・・ん・・・」
及川さんの大きな手にすっぽり収まってしまう私の胸を、執拗に愛撫する。
柔らかさを確かめるように撫で回したり・・・乳首をつまんだり・・・