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【ヒロアカ】63億分の1(ファット)

第1章 始まりは青





落下地点と思われる場所には
沢山の人と……

なんだろう?

出店って言うの?



とにかく
私が住んでいた街とは違う



このまま落下して
地面と仲良く戯れた後は
きっとそこらの人が通報して

私は死体処理班にでも
回収されるんだろう



……実に無様な最後だ



無様過ぎて
不幸過ぎて
涙が止まらない



せめて貯金全部使ってから
死にたかった……



高層マンションでワイン飲んだり

ペットとかも飼ってみたかったな……

行きたい食べ物屋さんもあったし
欲しいモノだってまだ沢山あるし

恋だってしてみたかった



そして……



欲を言うなら

生みの親に
会ってみたかったよ……









人間って最後はホント
くだらない事ばっかしか
浮かばないものだ






「おい!人が落ちて来てるぞ!!!」





聞こえる声が
近く感じるのは

もう私に
時間が残されていない証拠




せめて誰にも迷惑をかけずに
死にたいものだが
それも無理そうだ




「危ない!!
みんな下がっとれ!!!」




大きな声で私の真下に
黄色の物体が現れる



なんだあの丸いのは?

着ぐるみ?



そんな場合じゃない
そんな場所に立たれたら

二次災害もいいところだ




みるみる内に黄色のものとの
距離が近くなり

そのシルエットが
浮き彫りになる




着ぐるみじゃない?

人?!?!



………おいおいおいおい!!!












「……ッ………どきなさいよデブ!!!」
























─────これが
私とファットガムこと、
豊満太志郎との

最悪で最高の出会いだった。




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