第8章 視線と声
秋也は彼女の体をベッドの上に横たえた。
自分の身体が丸見えになることに恥ずかしさを覚えて、有は胸と下半身を手で覆った。が、秋也がすぐにその手を掴んでどかせた。
「隠したらダメだ」
「恥ずかしいよ」
「ダメだ。全部見たい。有の全部、見せてくれ。オレも全部、見せるから」
秋也はベッドの上で膝立ちになって有を見下ろした。
有がソッと秋也を見やると、股間のものが屹立しているのが目に入った。
反射的に顔を背ける。
「怖いか…?」
秋也が尋ねる。
有はひとつ大きく息をした。心臓がバクバク言い続けている。
「驚いただけ。大丈夫だよ」
「無理は、しなくていい」
秋也の声は柔らかかった。
けれど少し寂しげだ、と有は思った。
有は横たわりながら手を伸ばすと、ツッと、秋也の熱いものに触れた。
「ッ…」
何の前触れもなく触られると思ってはいなかったのだろう。秋也は体をギクシャクさせた。
「本当に、私は大丈夫。あ、ねえ、秋也くんだって震えてる。そっちこそ、大丈夫?」
有は顔を真赤にしながらも、クスクスと笑った。
そんな有の姿を見て秋也もクスリと笑うと、彼女の手を下ろさせた。
そのままジイっと、有の頭のてっぺんからつま先まで、ねぶるように眺め回す。
白くて柔らかそうな皮膚が、薄赤く火照っている。
行き場無くシーツを握る手先。
胸からウエスト、腰にかけてのカーブラインは、男のそれとはまるで違う。
秘部を隠すようにぴっとりと閉じられた脚は、もじもじと擦り合わされている。