第140章 手のひら返しの虫歯
ガリガリ歯を削られ何らかの器具が口の中へ入れられるのだが
どうしよう………めっちゃくちゃ痛い…………!!!!!
先程から開いている口をぐいぐい広げられるし器具が時折頬の内側に触れるし……
痛む歯を治療する手付きは荒々しく随分乱暴に感じる
耐えている時よりも格段に猛烈な痛みを受けて其れを訴えるべく手を上げるが
「はーい我慢してくださいねー」
(…………え、………………?)
全くの躊躇無く言われてぎゅっと拳を作った
途中うがいする様に指示されてうがいすれば血が混じった水
………馬鹿みたいに痛い………
………猛烈に痛い…………
私はまた泣き出してしまいそうに成ったが大人なのでぐっと我慢して更に治療に臨む
嫌なドリル音を聞きながら只痛みに耐える私は全身汗びっしょりだ
折角入浴したのに……なんて事を考える暇も無く只1秒でも早く終わって欲しいという事ばかり考える
ガリガリと口腔内に響く音は頭痛を激しく痛め付けて私は歯医者を睨んだ
なんて乱暴な奴だろう……もし本気で痛くて気絶でもしたらどうしてくれる……!!!
全く視線は合わないが淡々と作業を進める歯医者が憎らしくて仕方がないという思いを込めた
大口を開いてライトに煌々と照らされた女が睨んでいるなんて俯瞰で見れば随分間抜けだろうが痛いんだ!と主張する為に私は涙目で歯医者を睨み続けた