第115章 バブルバス
「えっ、あ……すみません!!何でしたっけ?」
「泡風呂ってどうやって作るんだっけ?」
「なんかシャワーを注ぎ込むらしいです!」
「ふーん」
「シャワー取りましょうか!出来上がる所見たいし!」
「良いよ」
私はシャワーを手に取り水から湯に成った頃に湯船に投入する
ブクブクと音が成って小さな泡が出来上がると次々モコモコと泡が生まれ始める
「おぉー!!!」
とろフワなバブルバスはあっという間に完成し湯船一杯に真っ白な泡が広がった
「………泡は白いんだね」
なんて言いながら此方を向いた彼は両手に泡を抱き寄せていた
見えない、という安心感は絶大で多少ドキドキした私だが先程よりも幾分か気楽に思えた
「ピンクじゃ無くなっちゃいましたね…」
私はシャワーを止めて元の位置へ戻す
「見てみて。」
「……?」
「サンタクロース」
振り返った私の視界に飛び込んだのは泡を口元に付けて何処か楽し気に瞳を輝かせた彼の姿だった
その余りもの可愛さに変な奇声を上げそうになったが完全に不審者なのでグッと耐えた
………彼は私を萌え殺す気だろうか
「ねぇ沙夜子一緒に遊ぼうよ」
「ん……?……遊ぶと申しますと……?」
「そのままの意味だけど」
真っ直ぐ私を見詰める彼は実に無表情で感情が読めず困惑していると私の手を彼の暖かな手が掴んで湯船の中へ肘迄引き入れられてしまった
(え、何をするの……………?)
滑り気のある湯に浸かった腕からするりと肌を撫でた彼の手が離れる
何処か名残惜し気に指先が伝った感覚にビクリと肩を反応させた私だったが
「じゃあ猫作ろう。スタート」
「………あ、はい」
単調に伝えられたゲームはなんとも純粋なものだった
一瞬でも邪な事を意識した自分が馬鹿みたいでカッと熱く成る頬が恥ずかしい
チラリと彼を盗み見ると彼の流し目と目が合ってクスリと色っぽい笑みを向けられてしまい心臓が飛び出しそうに成った
「っ………!!!」
「……猫……作らないの?」
表情とは相反して単調な声
彼は私をからかったのだとその時に気付く
「……いえ………作ります……けど」