第51章 ひとつのスマホ
その様子を彼はじっと眺めている
「………?」
彼の方へ視線を向けると黒々とした瞳と目が合う
「意外だね」
「何がですか……?」
「……沙夜子って真面目なんだね」
「……変な所で細かいかもしれないです」
「だってこれ。クロロが行きたいだけで沙夜子は興味無いんでしょ?」
「いえ、私もイルミさんと行きたいと思ってたから良いかなって!」
「ふーん」
「そうや!せっかくやし私達も行きたい所見てちょっと混ぜましょうよ!」
「………そうだね。クロロばかりに付き合うのも癪だし。」
私は直ぐ様ボールペンを放ってトリップアド○イザーを開いた
私のスマホを覗き込む様に上体を傾けて距離を詰める彼の肩が私の肩に触れドキリと高鳴った心臓にスマホを操る指先が止まる
彼は不思議そうに何も進まない画面を見詰めた後に私の方へ顔を向けるので瞬時に顔が熱くなるのを感じた