第47章 女は色々大変です
再び布団へ戻り世の中の赤ちゃんはさぞかし不愉快なのだろうな、なんて想像をしつつ、うつらうつらと浅い眠りを繰り返した
数時間後に彼に声を掛けられて目を覚ますと辺りには出汁の香りが漂っていた
「食べられそう?」
「……ちょっとやったら」
いくら彼でもカップ麺なら作れるだろうとインスタント食品を頼んでいて良かった
彼の負担も普通に料理を作るより軽減される事も狙いだ
私はふらふらとちゃぶ台に着き赤い○つねの油揚げを彼に差し上る
油揚げが好きで普段嬉々としてムシャムシャ食べている私を知っている分彼は少し驚いた様子だ
「………いらないの?」
「今は食欲無いから食べれないです」
「……そう」
実に静かな夕食を終えて私は直ぐ様布団へと自主的に入り
座椅子へ腰かける彼へ声を掛ける
「今日は本当にお世話になりました」
「別に」
「……イルミさんが風邪引いたら任せて下さいね」
「俺は風邪引かないよ」
「………訓練ですか?」
「うん」
「……そっか」
会話はプツリと途切れて私はぐっすりと眠った