第11章 〜新しい朝〜※R18
零さんと愛し合ってから数日後、私達は引っ越しの準備のために、ホテルの荷物をまとめていた。
『これは何処に入れますか〜?』
零「そうだな、これはこっちに入れとくよ。こっちは結構片付いて来たから、真恋音は寝室の方を頼む。」
『はいっ!分かりました!』
パタパタっとスリッパで足音を立てて、私は寝室へ向かう。
『明日引っ越しなのに、この荷物片付くのかな...。』
そう私達は明日、このホテルを出て新しいマンションへと引っ越す。そこで、新しいお家が出来るのを待つのだ。この間、建築家の桜川夫妻から連絡が来た。「設計図が完成した」との報告で、申し分無い素晴らしい設計に私と零さんは感動した。
『これはこっちに直してっと...。』
ぐぅぅ────。
私のお腹の虫の声が盛大に寝室に響く。
『そろそろお昼の時間だな...。零さんを呼びに行こっと。』
ガチャ────
リビングへ通じる扉を開いて、零さんの姿を見つける。
『零さん、そろそろお昼ご飯食べましょう?』
零「あぁ、そう言えばお腹が空いてきたな。」
『そうでしょう?私、先に大尉にご飯上げてきますね。』
零「俺はお昼の準備しておくよ。」
お昼の準備は零さんに任せて、私は大尉にご飯を上げる。
『大尉も新しいお家楽しみだねっ!』
大「にゃ〜ん!」
嬉しそうに返事をする大尉に、私は微笑んで寝室をあとにした。
リビングに戻ってきて、お昼ご飯の準備をする零さんを見つける。
『今日のお昼ご飯はなんですか?』
零「今日のお昼は冷やし中華ですよ。真恋音は野菜を切って。俺は麺を茹でるから。」
『は〜い。』
冷蔵庫の野菜室から胡瓜ともやしとハムを取り出して、トントンっとリズムよく食材を切っていく。その横で零さんは麺を茹で、溶き卵を作っていた。錦糸玉子も作るんだろう。
出来上がった卵を私は細く切っていく。麺が茹で上がったようで、零さんは麺を皿に盛り付けて、私が切った具材達を綺麗に盛り付けていた。最後にごまだれをかけて出来上がりだ。
出来上がった、冷やし中華を机の上に並べて、私たちも椅子に座る。
「『いただきます。』」
いつもの挨拶をして早めに食べ終え、食器洗いはじゃんけんで決めて、零さんが負けたので任せることにした。