第1章 〜出会い〜
咲璃愛はコーヒー、私はオレンジジュースを飲みながら、最近あった話などをしていると、
透「ハムサンドを2つお持ちしました。ご注文は以上でよろしいですか?」
『あ、────。』
はい。と返事をしようとして、言葉を失った。咲璃愛は普通にハムサンドを持ってきた男の人と話している。
日焼けじゃない、色黒の肌────。
吸い込まれそうな青い瞳────。
金髪でもない、白髪でもない、クリーム色の柔らかそうなサラサラの髪の毛────。
目鼻立ちが整った、綺麗で美しい顔────。
聞いた途端、脳に響く甘い声────。
真恋音の視界に入るもの全てが一瞬止まった。それは真恋音が恋に落ちた瞬間だった。
こう言うのをイケメンと言うのかは置いといて、凄く心臓ドキドキしてる。なんでだろう?
咲「真恋音?大丈夫?どしたの?具合でも悪い?」
ずっと黙っていた私に、咲璃愛が心配そうな表情で、私の顔を覗き込む。
『あ。うん、大丈夫。少し考え事してだけ。』
咲「そう?ならいいけど。早くハムサンド食べてみなよ、あのイケメンさんが作ってるんだって!美味しいからさ、早く!」
大丈夫だと告げた私に、咲璃愛はハムサンドを早く食べるよう急かしてくる。あまりにも急かしてくるものだから、どんなに美味しいのかと思って大きく口を開けて、食べてみる。
『お、美味しい。なにこれ、超美味しい。』
咲「でしょでしょ!」
透「そんなに、好評ですか?僕が作ってるハムサンド。」
『え?』
咲「はい、美味しいですよ?」
透「それなら良かった、あ、申し遅れました、僕、ここの喫茶ポアロでアルバイトしてる、安室透と申します。」
咲「安室さんですか、覚えておきますね!私は間野咲璃愛です、で、こっちが一ノ瀬真恋音です。」
『一ノ瀬真恋音です。』
透「真恋音さんに、咲璃愛さんですね、覚えておきます、僕もう上がる時間なんで、あとはゆっくりしてって下さいね。また来て下さい。」
『はい。またこのハムサンド食べに来ますね。』
にっこりと笑って安室さんはカウンターの奥に行ってしまった。