第2章 〜初めての感情〜
咲「なになに?」
と先程運ばれてきたパンケーキを頬張りながら私に問いかけてくる。
『最近ね、ポアロに行けるって考えると、嬉しくなってレポート書き終えるの早いしさ、安室さんのことばっかり考えてて、梓さんと安室さんが親しげに話してるの見てイラついて、でも誰にでもあんな感じって聞かされて、ホッとしたり。こんなの初めてなんだよね。なんだと思う?安室さんに相談した方が良いのかなぁ。安室さん、探偵してるんだって。この間連絡先貰ったの。』
一人でペラペラと話している間、口をポカンと開けたまま固まって、私をガン見する咲璃愛。私、なにか可笑しいこと言ったかな?
咲「あんた、どこまで天然なの?そこまで行くと最早馬鹿だよ?安室さんに相談するのやめなさいね。真恋音のその病気の名前、私知ってるよ?」
『え?なに!?教えて、やっぱり病気なの?』
咲「うん。しかも重度のね。それ恋ワズライって言う病気。」
『え?こいわずらい?』
咲「ゆっくり良く聞いてね、真恋音、あんた安室さんに恋してるの。好きなのよ安室さんの事が。多分初めてあった時からね。動悸がしてたのも、一目惚れしたからよ。」
『ひ、ひとめぼれ。って言われても良くわかんないや。』
咲「いい?よく聞いてね。私が昴さんのこと好きなの知ってるでしょ?恋愛対象として。それと一緒で安室さんのことを好きなのよ。」
『誰が?』
咲「真恋音が。」
私が安室さんのことを好き────?人を好きになったのなんて初めてだし、良くわからない。咲璃愛に相談しなければ、一生気づかないままだったかもしれない。それでも、この気持ち、大切にしたい。そうか、私、安室さんのこと好きなんだ────。