第6章 王宮からの使い
「………ジャーファル………うち……どうすれば良いのかなぁ………。」
いきなりの事に気がおかしくなりそうだった。
自分でも、声が震えてるのがわかった。
「………。」
ジャーファルは何も言わず、うちを抱き締めた。
「ジャーファル………?」
「………レイラ。お前は………王宮に行け。その方が良い。」
「………え?」
真剣な顔つきで、面と向かって言われた。
言われた瞬間、泣きそうになった。
心のどこかでは、引き止められる事を望んでいたのかもしれない。「行かないで」と、言われたかったのかもしれない。
「………本当に………そう思うの……?」
「………ああ。」