第4章 誘拐
~レイラside~
(………どうしよう………)
手をロープで縛られ、口は封じられている。間近には屈強な男共。
“あの力”を使えば逃げられるのだろうが………
あれは疲れる。逃げられたとしても、帰れない。
「それにしても…………今日は上玉だな。」
と、賊の一人が言う。
「あぁ。これはガッポリ儲かれそうだぜ。」
(もしかして………うち、売られるっ?!!)
そう思った瞬間、背筋に悪寒がはしった。
急に手足が震えだした。
(いやっ………誰か助けてっ!!)
「んーーー!!んんーー!!」
「おいおい………大人しくしといてくれよ、お嬢ちゃん……。あんたは、大事な“商品”なんだからよぉ。」