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友達のナリカタ【十二大戦】

第1章 まず出会い頭


胸に突き刺さった鉈の柄と彼を交差をして眺める。

「すまないが、私は君に何か殺されてもおかしくないような不快な思いをさせてしまったのだろうか?」
「うんうん、全然。寧ろ僕は君みたいな子が欲しいよ?」
「え、えぇー…」
「どうして君は死なないの?僕のお友達になりたくないの?」

少しの会話で理解したがどうやら彼の中で殺すイコール友達とかそんな形式が成り立っているらしい。どういう事なんだろうか?世の中、異能を持つ者が居る事は知っているがつまりそういう関連の能力持ちなのか彼は?様々に考察するがまずは彼に私の事を説明するべきだろう。現在進行形で凶器を胸に差し込まれていて複雑だが。

「別段、君と友達になりたくない訳ではないんだ。君の友達理論はわからないが。いや、そうではなく。私が何故、死んでいないかだったかな。実はその逆で私は既に死んでいる」

歩く死体『リビングデッド』それが私の正体だったりする。見た目は血色良く死体には見られないが立派に実は死んでいる。現に心臓が止まっているから血流はないので本来なら血の池が出来てもおかしくないが血が出ていないのでこの場は綺麗である。

「つまりそう言うことなのでこれ以上は死ねない」
「そうなんだ」

彼はそう言い退けた後、もう一本の鉈で私の首を薙いだ。回転する視界。転がる私の頭。

「な、何故切り落としたし!」
「死ぬかなーと思って」
「さっきから死んでると言っている!」

えーと顔を懐疑の表情に歪める彼。全然、信じてないな!司令塔の頭を無くした体は力なく倒れ憂城は馬乗りになってメッタ刺しパーティを敢行、抗議したら敵兵がわんさか現れ場は完全なる戦場へ私はどさくさに紛れて頭と体をどうにかドッキングさせ事なきを得たのだった。後に知ったのだが彼は自身が殺した相手を使役できる能力があったのこと。彼の行動理念の一部は理解したが完全に受け入れるのには時間がかかるだろう。

それに世界は広い。彼には二度と会うことはない。

と思ったのだが。

「酷いよ。僕を置いてどっかに行っちゃうなんて探したんだよ?ほら、お友達になろうよ。今度こそなれるよ。僕、頑張るから」
「べ、別のベクトルで奮闘をお願いしたいのだが」
「うん、大丈夫。今度こそ君の命だけ取っちゃうね」

彼との馴れ初めはこんな感じである。出会い頭に死体蹴りするのはやめてほしい。切実に
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