第1章 1
私は、桜ノ宮学園に入学した。
中等部の三年間は、何事もなく過ぎていった。
変わったことと言えば、親友ができたことだ。
その子の名前は萩野愛香。
愛香がいてくれるから、私は学校に行っている様なものだった。
しかし、寮に戻ると、心に穴が空いたような寂しさが襲ってくる。
1人になると、家族がいないということだけが、私の心を支配する。
誰かに心を開いても、いつかはいなくなってしまうんじゃないか。
そう思ったら、急に怖くなり、他人に心を開けなくなった。
それどころか、私は心に鍵をかけた。
そう、『孤独で寂しい』という感情も一緒に。。。