第6章 6
「いやいや、ほんとごめん。」
そんなに何回も謝られても…
何だか面白い人だなあと思った。
「あ、笑顔可愛いね!」
そう言って、彼は私の頭を撫でた。
そういうのに免疫の無い私は、自分でも分かるくらい顔を赤くしてしまった。
「こんな風に出会えたのも、何かの運命だと思うから、名前、教えてよ!」
「あ… 神田絢架です。」
「絢架ちゃんか…名前も可愛いね! あ、俺は中島健人!!2年だから。」
「あ、私は、1年です…」
「そっか。じゃあ、よろしく。あ!俺、時間無いから、またね!」
そう言って、彼は行ってしまった。
中島健人…中島先輩か…
この出逢いが運命だったなんて、私は知るよしも無かった。