Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第11章 番外編
欲しいところに届かない指。
いつも脳天を突く欲しい刺激が…得られない。
朦朧とする頭で
何のせいで流れてくるのか分からない涙で頬を濡らしながら
ローの赦しを待ちわびた。
さっき一度だけ舐め上げられてから
ただの一度も中心に触れようとしないローは見えない筈の指の動きを逃さぬように監視しようとその鋭い眼孔を光らせている。
「…ぁっ…はぁ……んっ!」
「自分のイイトコロならおまえが一番分かってンだろ?」
違う。
それを一番解ってるのはローだ。
自分でシテも、それはやっぱり違う。
上り詰めたいのに届かない。
そんなもどかしさが更に頬を濡らす。
「そんなんじゃいつまで経っても終わんねぇぞ」
精一杯
ローがしてくれるいつもの蠢きを思い出しながらそこを抉っても
訪れる感覚はそこには届かなくて。
羞恥も何も分からなくなる程に熱い視線が
面白そうに弧を描く口元が
悔しくてどうにもならない。
「ほら、そうじゃねぇだろ」
「ンぁっ…ね…もぉ無…理、ロ…ぉ!!」
捕まれた手首が己に突き刺さる。
先程までより深く埋まった指が、ざらりとした場所を撫でた。
鈍いけれども
欲していた刺激を与えてくれるそこを必死で撫で上げる。
「…ふっ……ぁっ、…ぁあッ!…ンっ…!」
「堪ンねぇな…淫乱女が」
蔑まれるような言葉が、なぜか婬欲を刺激した。
はしたない。
自分でも分かっている。
嫌々させられながらもこの体たらくはなんなんだ。
頭のどこかで冷静な自分がそれを分析しつつも
快楽を求める指の動きは止まらない。
「はっ…ぁっ…!アッ!!」
管楽器の琴線が事切れるように
白い浮遊感が体を包んだ。
「…ぇっ!?ちょっ…待っ…!!」
やっと得られた至福に酔いしれていれば
あろうことか手首を掴むローがまるで道具でも扱うかの如くそれを己の中に抜き差しする。
「ねっ…今、ダ…メッ!!」
「欲しいんだろ?よがり狂えよ」
白く微睡んだ空間に突如走る黄色い刺激。
ズブズブと耳に届くその音はそれを助長させて
先程の比ではない快楽が脳天を突き抜けた。
あぁ…空が闇色を帯びて来た。
白く弾け飛んだ意識の中、ぼんやりとそんな事を思った。