Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第9章 ペンギン
「聞き及んだことはありますけど、今何時だか知ってる?」
「知ってる」
遅刻の自覚がありながら朝から盛るとは、流石部下泣かせの統括部長。
何も身に纏っていない体を撫でる手と、啄むように落とされる口づけ。
いかんと思いながらも、その気にならないでもない自分が憎い。
「ねぇ、帰ってきたらにしよう?もう遅刻だけど、行くなら早い方が良いでしょ」
「ナツはシたくないの」
首筋をなぞる濡れた熱に、体がびくりと震えた。
焦らすように中心を避けて胸元を這う手に、期待してしまう気持ちが生まれる。
「したいけど、して欲しいけど今はダメ!」
理性を総動員してペンギンの顔を押し退けた。
まさか全力で拒否されるとは思っていなかったのか、きょとんとした顔がこちらを覗いている。
しかしそのあどけない顔は、何かを企むように口元に弧を描いた。
「大好きな彼女が欲しがってるならあげなきゃでしょ」
「今はダメだっつってんだろ」
制止を聞く気のないペンギンに胸の頂を口に含まれ舌で転がされる。
怒りながらも口から漏れでてしまう声に、ペンギンがくつくつと喉を鳴らして笑った。
「安心してよ。今日有給だから」
「は?!」
だから問題ないよね、と脚の付け根に手を滑り込ませるこの人の言葉を
私は信じて良いんだろうか。
「昨日のアレだけじゃ足りない」
「あ、そうですか」
さっきまで子供みたいな寝顔をしていたのに
今や男真っ盛りのギラついた目をしてるこの人。
いつもマイペースで、翻弄される。
でもこの人がくれる感情が
この人と居るときの自分が
私は好きだ。
「何回できるか耐久レースする?」
大人だけど、子供みたいな事を言うこの人と
これから何度体を重ねるんだろう。
せっかく手にした幸せな時間を
噛み締めて、大事に生きていきたいって
そう思ったんだ。
ペンギン編 END